動脈の血管は簡単に破れないよう二層構造になっています。動脈硬化によって血管の層がひび割れると、体は生命の危機を回避するためにそこをなんとか補修しようとします。ひび割れたところからコラーゲンが出てきて、そこに血小板が接触することで「動脈が破れかけている!」というシグナルが発せられます。そのシグナルは血小板同士を結びつける効果をもっているため、多くの血小板が集まって塊、つまり血栓を作るのです。
また、動脈硬化が進んだ血管は内径が狭くなります。そうした狭くなったところに血栓が流れてくると血管が詰まってしまう可能性があり、詰まると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因になります。
抗血小板薬は、そういった状況を予防するために用いられます。その多くは、先ほどお話しした血小板同士を結びつける効果を持つシグナルを止めることで効果を発揮します。シグナルにはいくつか種類があるため、抗血小板薬にも複数の種類があります。
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