上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心臓の健康にいいダイエットとはどのようなものなのか

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 これまで何度もお話ししてきたように、「肥満」は心臓にとって大敵です。多くの研究から、高コレステロール、高血糖、高血圧のリスクを高め、動脈硬化を促進して、心血管疾患を発症しやすくすることがわかっています。ですから、心臓を守るためにもダイエットが推奨されていて、とりわけ“肥満大国”の米国ではたくさんのダイエット法が登場しています。

 昨年、米心臓協会(AHA)がそうしたさまざまなダイエット法を考察し、「心臓の健康にいいダイエット、悪いダイエット」を発表しました。それによると、心臓にいいダイエットのトップには「DASHダイエット」が挙げられています。これは高血圧を防ぐ食事法で、脂肪の多い肉類、砂糖を含む飲料や菓子類、飽和脂肪酸の多い食品を減らし、鶏肉、魚、野菜、海藻、果物、ナッツ類、全粒穀物、低脂肪の乳製品などを十分に摂取するというものです。次いで、同じように魚、野菜、豆類を中心に摂取し、肉類、卵、チーズ、ヨーグルトなどは控えめにする「地中海式ダイエット」もランクインしました。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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