日本版「足病医」が足のトラブル解決

「巻き爪」になりやすい靴のタイプはあるのでしょうか?

校則で指定されたローファー靴の着用で「陥入爪」に

 日本人の10人に1人が悩んでいるとされるのが「巻き爪」です。爪の両側または片側が内側に巻いた状態で、ほとんどが足の親指に生じます。

 本来、爪は内側に丸まりやすい性質で、歩いているときや立っているときに地面から圧力がかかって丸まるのを防いでいます。不適切な靴の着用で踏み返し動作が行えず、足指が地面にしっかりと接地しない「浮き指」で歩くと、正常な圧がかからず爪が変形していくのです。

 中高年や高齢者の病気と思われやすいのですが、年齢に関係なく誰でも発症するリスクがあります。とりわけ中学校や高校の規定靴を履いている場合には注意が必要です。

 先日、ある高校生の男性が「親指が歩けないほど痛く、パンパンに腫れている」と足の疾患センターを受診されました。問診で話を聞くと、校則でローファー靴の着用が指定され一日中履き続けなければならないと言います。

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田中里佳

田中里佳

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

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