魚ばかりはかえって危ない…「粗食」が高齢者の命を縮める

「アルブミンやヘモグロビンは、いずれもタンパク質の一種です。タンパク質は、血液や筋肉など、体のいろいろな組織をつくる材料になり、不足すると、脳出血、肺炎、骨折など、さまざまな病気を引き起こします。とりわけアルブミンが減ってしまうと、体にとっては緊急事態です。水分を血管に取り込む力が弱くなるので、むくんだり、お腹に水がたまりやすくなります。アルブミンはホルモンを体中に運んだり、筋肉のエネルギー源である脂肪酸を運搬する役割もあるので、体を元気にする力が弱まってしまいます」

 年をとって、さっぱりしたものしか受け付けない。だからといって肉や卵を避け、魚や野菜をちょっとしか食べないような食生活を続けていると、命を縮めることになりかねないのだ。

「肉や卵に多いといわれるコレステロールも、人間にとって重要な栄養素です。神経細胞やホルモンなどの原料になる物質で、少なすぎると免疫力が低下し、さまざまな疾患リスクを上昇させます。多すぎるのはよくありませんが、少なすぎると死亡率が上昇するという調査もあります」(加藤氏)

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