薬が効かない7割の人に吉報! うつ病は「磁気刺激」で治す

「現在、rTMSは、三環系やリチウムの前の段階で用いると有効ではないかと考えられています。治療の流れとしては、まずSSRIやSNRIを1種類6週間服用して駄目、次に2~3種類を4~6週間でも駄目という場合、rTMSを検討することになります」

 rTMSは、頭に特殊な刺激装置を置いて、頭蓋内に磁場を誘導させて神経を刺激するもの。

「うつ病は、感情をつかさどる脳の扁桃体や脳梁膝(のうりょうしつ)下部の働きが過剰になり、記憶や行動の切り替え、反応抑制など認知・実行機能をつかさどる前頭前野の働きが低下することで発症すると考えられています。rTMSは前頭前野の神経を刺激し活性化させて、扁桃体や脳梁膝下部の働きを正常レベルに抑制しようというものです」

■安全性が高く、つらい副作用もない

 アメリカの研究で、1~4種類のSSRI、SNRIが効かないうつ病患者300人を2群に分け、半数に本物のrTMS、半数に偽物のrTMSを行ったところ、本物の群の15~20%が改善。次に、全員に本物のrTMSを行ったところ、30~35%が寛解に至った。

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