患者負担が大幅減 手術を受けるなら「ERAS」病院

「大腸がんだけでなく、食道がん、胃がん、婦人科疾患、泌尿器疾患、心臓疾病の手術でもERASが導入されています。ただ、病院全体で導入しているところはまだ数えるほどで、疾患ごとの病院が多い。現在、全国で200施設前後に導入されています」

 大々的にERAS導入を掲げている病院もまだ少ない。導入されている病院で手術を受けようと思ったら、「クリニカルパス」と呼ばれる病院が患者用に公表している手術予定表を確認すればいい。ほとんどの病院のホームページでチェックできる。

「自分が受けたい手術のクリニカルパスを見て、手術前後で〈いつまで食べられるのか、いつから食べられるのか〉〈いつまで動けるのか、いつから動けるのか〉の2点をチェックしてください。導入されていれば、下剤による苦痛も少なく、食事は手術の前日までOK、飲水は当日までOK、術後は翌日から食べることができます。導入されていない場合、手術日を含めて3日間は絶食です。また、全体的な入院期間の長さも短いケースが多い。大腸がんの手術の場合、ERASなら術後5日で退院できますが、10日以上かかる病院もあります」

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