感染者いまだ減らず…「HIV/エイズ」の最新事情と問題点

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

「薬を一生飲み続けなくてはならないので、『治る』とは言えませんが、それとほぼ同義です」

 ただし、これらは「エイズ発病前から薬をきちんと服用すれば」の話。問題点は、HIVの感染を確認していない人が大半ということだ。

「こういった人が周囲にHIVをうつす。さらに、HIV感染の段階では薬でウイルスの増殖を抑制できますが、エイズ患者になってからでは手遅れ。治療を受けなければ、ほぼ100%エイズを発症します。エイズは、今も昔も非常に怖い病気です」

 発症する疾患によるが、進行性多巣性白質脳症なら痴呆になり、薬でHIVの増殖は抑制されても、その後、一生痴呆で寝たきりのまま。悪性リンパ腫なら半年ほど化学療法を繰り返しても再発し、命を落とすことも。発症前に感染が分かって治療を受けるか、発症後に病院に来るか、天国と地獄ほどの差がある。

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