勝俣教授は、進行・再発がんの患者には必ず「大切にしたいこと、楽しみにしていること」を聞く。ある患者は「それでも免疫療法を受けたい」と言ったが、「免疫療法は非常に高額であるが、確立したエビデンスがない」ことを説明。次第に患者は「世界一周旅行をしたい」と話すようになり、免疫療法はせずにこれまで3度の世界一周旅行を楽しんだ。
「家族と普通の生活がしたい」「婚約者と結婚式を挙げたい」と話し、体力・気力がある間に実現させた患者もいる。
■医師選び
次に押さえるべきは、正しいインフォームドコンセントをする医師を選ぶことだ。インフォームドコンセントとは、治療や処置行為について医師と患者が相互に情報を共有し、決定も共有すること。
「しかし日本では今、患者が情報をもらい、患者が決定する“患者自己責任型”が主流。裁判で訴えられないように、医療者の防衛の手段としてインフォームドコンセントが使われている一面がある」