有名病院 この診療科のイチ押し治療

【HIV】豊島病院・感染症内科(東京・板橋区)

豊島病院の味澤篤副院長(右写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 また、治療法の進歩で患者の余命はHIV感染のない人と変わらなくなってきている。患者の年齢が高まるにつれ、生活習慣病などの持病の薬との飲み合わせで、抗HIV薬の種類を変えていく必要があるという。

「抗HIV薬でエイズの発症は抑えられますが、感染歴や服薬が長くなると、指定の23疾患以外の合併症にもかかりやすくなる。実際には、エイズで亡くなるより、複数の合併症で亡くなる人の方が多い。エイズ治療は合併症の対策が非常に重要になるのです」

 起こりやすい合併症は、骨折(寝たきり)、がん、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など。認知症の症状に似たHIV関連神経認知障害(HAND)も問題になってきている。

 同科は、地域の総合病院という特徴を生かし、風通しのいい各診療科との連携で包括的なエイズ治療が行えるのが大きな強みだ。

▽旧東京都立病院。2009年4月、経営を東京都保健医療公社に移管。
◆スタッフ数=医師4人(うち非常勤2人)
◆年間初診患者数(14年度)=150人
◆HIV・エイズの年間初診患者数(同)=12人(紹介患者率約80%)

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