Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

【川島なお美さんのケース】抗がん剤治療を拒否した選択は間違っていない

川島なお美さん(C)日刊ゲンダイ

 女優魂を貫いた最期といっていいでしょう。24日に胆管がんで亡くなった女優・川島なお美さんは、亡くなる8日前まで主演ミュージカルの舞台に立っていたそうです。ところが、その翌日の17日、朝起きることができないほどの状態で、舞台を降板して緊急入院。手の施しようがなく、最愛の夫でパティシエの鎧塚俊彦さん(49)のそばで大切な時間を過ごすべく、自宅に戻って療養していたと報じられました。
 享年54。早過ぎる死にショックは大きいでしょう。その悲しみからか、「もっと積極的な治療を受けていれば」といったファンの書き込みも目につきます。長生きを望む気持ちは分からなくもないですが、川島さんの治療選択は間違ってはいなかったと思います。
 13年7月ごろの人間ドックでがんが見つかり、一部の知人には「余命1年の宣告を受けた」ことを語ったそうです。つらい現実を突きつけられても信頼できる医師を探して体を預けることを決意し、手術を受けたのが翌14年1月28日。

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中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。