その症状は…病気のサイン

【歯が痛い】1割は歯ではない部位の関連痛

「原因が分からないまま悪くもない歯を抜いてしまったり、神経を取ってしまった後で、当院を受診される人も少なくありません。デスクワークの長い人、ストレスの多いタイプがなりやすいようです」

 長時間パソコンに向かうことによる肩こりやストレスによって、就寝中などに無意識のうちに歯を食いしばり、筋肉痛が起こって歯痛として表れる。

「上あごの奥歯ならこめかみ、下あごの奥歯は首の後ろというように、押すと歯が痛むトリガーポイントが数カ所あります。それを押してみて痛む歯があれば、筋・筋膜性歯痛である可能性が高い。この場合、適切なストレッチや該当するトリガーポイントに注射をすれば治ります」

 歯ぎしりなどによる筋肉疲労のシグナルは軽くて分かりにくく、慢性化すると治りにくい特徴がある。

「上あごの奥歯の痛みの場合、『神経血管性歯痛』や『上顎洞性歯痛』も考えられます。目の奥からの激しい頭痛をともなうケースは、前者の可能性が高い。頭部の血管が拡張して起こるといわれる群発性頭痛に由来する歯の痛みで、これには発作的にやってくることが多い頭痛を予防する投薬で対処します。後者は耳鼻科や口腔外科の領域です。上顎洞という鼻の横に広がる空洞に膿がたまる蓄膿症によって歯の根っこの神経にばい菌が入り、歯痛が起こります」

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