「解体業のように粉塵やカビ、古い建物に使われていたアスベストなどを吸い込む可能性がある仕事に携わっているとなると、一層可能性が高くなります。しかし、たんや咳、息切れ以外に初期症状がほとんどなく、早期に発見することはとても難しいんです」
定期健診の胸部レントゲンなどに表れるころには中程度に進行していることが多い。重度になると酸素ボンベを手放せない生活。死亡原因第10位の病気でもある。
「軽度で発見するにはスパイロメーターという測定器で肺活量を測る方法があります。全力で強く吐き出す全空気量のうち、はじめの1秒で吐き出した空気量が70%未満だと軽度の肺気腫と診断できます。心あたりがある人は、この肺活量検査やCT撮影などの定期健診が有効です」
では、5年前に禁煙した根木さんはどうか。
「今は吸っていない、あるいは喫煙歴がまったくない場合は『間質性肺疾患』の可能性も考慮しなければなりません。肺胞の壁(間質)が炎症を起こす病気で、COPDとの合併も考えられます。間質性肺疾患のなかには、やがて肺が線維化してしまう『肺線維症』もあります」
その症状は…病気のサイン