レジリエンス高め若々しく生きる

スペルミジンが細胞の寿命を延ばす

 オートファジーは「自食作用」とも呼ばれ、古くなったミトコンドリアを自分で食べて新しくする機構のことです。人間は、酸素を取り込んで細胞のミトコンドリアという場所でエネルギーを作ります。いわば、ミトコンドリアは人間のエネルギーを作るボイラーのようなもの。ただ、古くなったミトコンドリアからはスス(活性酸素)が出て、体を老化させる=レジリエンスを奪ってしまいます。

 しかし、スペルミジンを摂取するとミトコンドリアの新陳代謝が生まれ、新しく細胞が生まれ変わります。つまり、老化を防いでくれるのです。

 食品の中でスペルミジンを最も多く含んでいるのは納豆で、味噌などの大豆の発酵食、麦、あわ、ひえといった胚芽を含んだ穀物にも豊富です。ナッツ、キノコ類、貝の内臓、魚卵にも含まれています。これらを半年間食べ続ければ、血中濃度が高まることが明らかになっています。

 日本食は、レジリエンスをアップさせる最高のアンチエイジングフードといえそうです。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。