高気圧酸素治療装置は、患者1人を収容する第1種装置と、6~7人収容できる第2種装置がある。重症の減圧症や空気塞栓症では医療スタッフを伴う必要があり、第2種装置でないと治療が難しい。国内で稼働する第2種装置は同科を含め、50台弱(東京都内5台)しかない。
「他の疾患での治療は2気圧で時間は約90分ですが、減圧症や空気塞栓症では約4時間半かけます。急速に2・8気圧まで上げて、時間をかけて気圧を下げていく『再圧治療』という方法です」
減圧症や空気塞栓症以外では、突発性難聴、一酸化炭素中毒、腸閉塞、網膜動脈閉塞症などの治療に使われる。副作用は鼓膜への負担だが、「耳抜き」ができれば問題ないという。
「最近は、がん患者さんの放射線治療後の壊死、出血、びらんなどの副作用に対する治療も増えています。ほとんどが他院からの紹介です」
治療回数は、疾患や状態に応じて複数回繰り返して行う。減圧症や空気塞栓症、一酸化炭素中毒の9割以上は症状が改善するという。年間約4500件の実施数は全国でもトップクラスだ。
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