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【肝臓がん無痛ラジオ波焼灼】 杏雲堂病院・消火器肝臓内科(東京・神田駿河台)

杏雲堂病院消火器肝臓内科の佐藤新平部長(提供写真)

 がんが長径2センチでひとつなら2回くらい、長径3センチなら4回くらい刺し、1回につき5~10分焼灼する。痛いのは焼くときで、回数が多いほど患者さんは不安や恐怖をおぼえるという。これをがんの数に応じて30分から2時間かけて行っている。

「無痛ラジオ波では、麻酔は睡眠導入剤の静脈麻酔を用います。患者さんは眠ったままなので、痛みはまったく感じません。ただし、担当する医師には、動く肝臓のリズムに合わせて電極針を刺す正確さと、残りなくがんを焼灼する高い技術が求められます」

 患者の眠りの深さは、声をかければ目覚める程度で、その微妙な麻酔管理が重要。佐藤科長も当初は麻酔専門医と組んで実績を積んできたが、いまは3人いるラジオ波担当医だけで大半は対応できるという。

「他院で無痛ラジオ波があまり行われない理由は、麻酔医の協力が得られないからがほとんどです。それに、慣れていない麻酔薬を使用しづらい、いざというときの対応に自信がないなど。当科ほど全例“無痛”にこだわって治療している施設はないと思います」

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