有名病院 この診療科のイチ押し治療

【高度難聴の人工内耳手術】 虎の門病院・耳鼻咽喉科聴覚センター(東京・港区)

虎の門病院耳鼻咽喉科聴覚センターの熊川孝三部長(C)日刊ゲンダイ

「高度難聴の患者さんの約40%は遺伝子診断で遺伝子が関与する原因が特定できます。それにより、難聴の進行が予見でき、その結果によって治療法の選択肢も変わってくる。遺伝情報に対応して先手、先手で治療方針を提示することができるのです」

 発症は1万人に1人とまれだが、中耳にある耳小骨が固まる耳硬化症という病気がある。この治療には、人工骨に置き換える“アブミ骨手術”というミリ単位の手術が必要だ。全国で年間300症例近く行われ、その約3分の1を同科が手掛ける。ロボット手術(ダ・ヴィンチ)でもできない、マイクロスコープを用いる微小で高度な技術を要する繊細な手術だ。

「いま、次々と新しい人工聴覚臓器が開発されていて、高度難聴の治療の幅は広がっています。遺伝子診断や言語聴覚士の技術、リハビリ設備の充実した信頼できる医療機関を選べば、高度難聴治療はあきらめる必要はありません」

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