江戸時代、醤油の町として栄えた千葉県銚子市。今でもいくつかの大手醤油メーカーが残っているが、規模は小さいながらも根強い支持を受け、江戸時代から長く続いているのが「銚子山十」だ。
銚子山十の看板商品のひとつが「ひ志お」。これは、大豆と大麦から麹を作り、それに塩水を加え、約1年間熟成させた発酵調味料。ペースト状の濃厚な醤油といった感じで、江戸時代には醤油職人のまかない食のおかずとして重宝されていた。
ひ志おを樽の中で熟成させているとき、表面にじわじわと液体がにじみ出てくる。これが「源醤」と呼ばれるものだ。銚子山十の室井房治代表はこう話す。
「少量しか取れませんが、源醤は醤油のウマ味や風味を何倍にもしたかのような発酵調味料です。発酵食品は体によく、そのおかげか、私も健康そのもの。保存料や着色料など一切の添加物を使用していないので、体にも優しいのです」
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