たった2~3分 「東京五輪」「キツネ」「ハト」で認知症が分かる

両手で「キツネ」と「ハト」を作ってもらう(右上下)/(C)日刊ゲンダイ

「振り向き徴候は、アルツハイマー型認知症によくある“取り繕いの症状”です。ハンド・バレー徴候は、下がる方の腕と反対側の脳の血管に脳梗塞などが起こっている可能性がある。つまり、血管性認知症の疑いです。回内・回外運動からは、レビー小体型認知症のパーキンソニズムと呼ばれる症状があるかどうかを知ることができます」

 昨年の7~9月、大田区では特定健診・長寿健診受診者の50歳以上の2105人にTOP-Qを実施。認知症の疑いの判定は、感度0.95、特異度0.86、判別率0.93(1.0がパーフェクト)と、非常に高い結果だった。

 振り向き徴候に関しては、認知症の陽性率の調査結果は今までなかったが、認知症の「軽度相当」の約88%、「中等度相当」の約98%に見られることがわかった。「重度相当」になると、反応が鈍くなるため、振り向き徴候が見られなくなるという結果も出た。

「正しい検査は認知症専門医でないと難しいですが、いきなり病院に連れていけば、親御さんもプライドを傷つけられ、嫌がるでしょう。TOP-Qは自然にできるのがいい。大いに活用し、結果から“もしかして”と思ったら、すぐに認知症専門医を受診してください」

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