病院は本日も大騒ぎ

入院患者が恐れる魔の病室

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 例えば、一般病棟に入院して抗がん剤治療を受けながら手術の期日を待ち、集中治療室に移るがん患者さんなどです。

 そうしたがん患者さんも、術後は一般病棟に帰ってきます。しかし、問題はここからです。

 患者さんにもし異変が起こったときに看護師がすぐ対応できるよう、できるだけナースステーションに近い病室に入ってもらいます。

 当院には、その病室と同じフロアの一番奥に、ベッドがひとつの個室があります。一般病棟と違って、集中治療室ほどでもありませんが、血圧、心拍計などさまざまな医療機器が揃ってる部屋です。

 一般病棟の部屋からこの個室に移される患者さんを見ると、他の入院患者さんたちは「もう長くないね」とか、「あの部屋だけには、絶対に入りたくない」と、つぶやきます。

 患者さんたちは経験で知っているんですね。フロアにある一番奥の個室が、どのような部屋であるかを。

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