「サイバー攻撃のターゲットは官公庁や銀行、企業など。自分には関係ないし、それで命を失うことなどありえない」――。そう考えている人は認識を改めた方がいい。
何者かに医療機器が乗っ取られ、あなたが使っている酸素マスクの酸素の供給を止められたり、医療カルテが盗み出されたりする。そんな事態が近い将来、起こるかもしれないからだ。長浜バイオ大学の永田宏教授(医療情報・医療経済学)が言う。
「今はあらゆるモノがインターネットに接続され、モニタリングやコントロールされる時代です。CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)装置などの医療機器も例外ではなく、故障があれば遠隔操作で修繕することが当たり前になっています。それに付随した他の医療機器もネットコントロールされているのです。そのリスクはこれまで語られてきませんでしたが、あらゆるネットがハッキングの対象であることを考えれば、早急に対策を行うべきです」
どうなる! 日本の医療