では、どうすればいいのか。永田教授によると、どんな優れたソフトが開発されても攻撃しようとする人から逃れることはできないという。できるのは、医療機器のハッカーへの脆弱性を事前に知ること。そのため、プログラマーたちが集まって技術を競う“ハッカソン”などを行って医療機器の弱点を調査し、補強に努めるだけだ。
「だが、セキュリティーを強くし過ぎると医療機器などIT機器の利便性が失われます。かといって弱すぎるとセキュリティーが破られる。大切なのはそのバランスです」
幸いなことに日本では医療機器への本格的ハッキング攻撃は報告されていない。しかし、「悪意の攻撃」がこの先起こらないとの保証はどこにもない。声高に「テロとの戦い」を叫び、勇ましさを強調している安倍政権が、忍び寄る医療機器テロを認識しているのだろうか。
どうなる! 日本の医療