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【顔面神経麻痺外来】帝京大学医学部付属病院・リハビリテーション科(東京都板橋区)

帝京大学医学部附属病院の栢森良二客員教授(提供写真)
後遺症は適切なリハビリが救う

 片側の目や口が思うように動かせなくなり、目が閉じられない、水を飲むと口からこぼれる、口元がゆがむ。突然こうした症状が表れるのが顔面神経麻痺だ。

 過去に経験した口唇ヘルペスや水ぼうそうのウイルスが再活性化したことが原因になる。診療科は耳鼻咽喉科で、抗ウイルス薬やステロイドを使った治療が行われる。しかし、治療が遅れたり、重症になると、顔の筋肉が思うように動かないなどの後遺症が残る場合がある。その予防、軽減のために治療と並行してリハビリを開始することが大切だ。

 同外来を担当する栢森良二客員教授(現帝京平成大学教授)は、顔面神経麻痺のリハビリの第一人者。2年前に退職してからは、毎週水曜日(予約制)に診療に当たっている。リハビリの難しさをこう言う。

「顔面神経麻痺は、後遺症が残るかどうかの予後診断が難しいことから、リハビリの開始が遅れがちになります。また、誤ったリハビリをすると症状を長引かせ、かえって悪化させてしまうこともあります。しかし、その適切なリハビリに精通した医師が、まだ圧倒的に少ないのが現状です」

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