病院は本日も大騒ぎ

患者と看護婦の距離感 「親しさ」と「なれなれしさ」は別物

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 看護師との会話を趣味にしている患者さんもいらっしゃいますが、私は「入院患者さんと必要以上の会話はやめなさい」と指導しています。

 治療に会話も必要な心療内科などは別ですが、患者さんと接するときは、常に節度を忘れないことが、結果的には看護師の信用につながります。

 かつて、男性入院患者のあしらいがとくに上手で、すぐ親しくなる看護師がいました。

 ある日、男性患者が救急車で搬送されてきたのですが、健康保険証も現金も持っていませんでした。

 その患者は3日ほど入院し、完治すると入院費も払うことなく姿を消しました。しかも、病院に届け出ていた自宅の住所や電話番号もデタラメだったのです。

 その患者と親密な会話をしていた看護師は、看護師総師長に呼ばれ、「あなた、本当の電話番号を知っているでしょう?」と、疑いの目を向けられました。看護師はムカッとしていましたが、むろんその看護師が教えてもらっていた電話番号もウソ。「親しげ」と「信頼されている」とは大きな差があるのです。

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