がん治療を変える 日本発新免疫療法

がん治療革命の牽引役 「オプジーボ」に最後の望みを託す

(C)日刊ゲンダイ

 現在、世界中で前立腺がん、大腸がん、腎細胞がんなど多くのがん種での試験が行われ、有効例が認められていることから、順次適応拡大される見込みだという。

 世界中の医学界も注目している抗がん剤「オプジーボ」は、どのようにしてがんを攻撃するのか。

■「がん免疫監視」システムを正常に戻しがんを消滅させる

 そもそも、がんには免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みがある。がん細胞の表面にある「PD-L1」というタンパク質が免疫細胞の「PD-1」というタンパク質をつかみ、がん細胞への攻撃にブレーキをかけるのだ。

 オプジーボは、あらかじめ「PD-1」をカバーすることで、がん細胞に免疫細胞がつかまれないようにして、がん細胞を攻撃させる。

 人の体内では毎日数千個ものがん細胞が生じているが、免疫はこれを排除してがん発症を防いでいる。オプジーボは本来、人が持つ「がん免疫監視」システムを正常に戻すことで、がんを消滅させる薬なのだ。

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