がん治療を変える 日本発新免疫療法

がん治療革命の牽引役 「オプジーボ」に最後の望みを託す

(C)日刊ゲンダイ

 栃木県内で、代々歯科医院を開業しているAさん(62)が言う。

「私は昨年から、このオプジーボの使用に踏み切りました。病名は『小細胞肺がん』(肺がんの20%を占める)です」

 5年前の2011年、Aさんは珍しく風邪をひいた。その風邪がなかなか治らず咳も止まらなかった。そのうち、手がしびれるという症状が重なり、しびれは、背中、腰にまで及んだ。

 Aさんには、知人や友人に医師が多い。大学病院などいくつかの病院で診察を受け、その後、地元・宇都宮にある病院に改めて検査入院したところ、「肺がんです。ステージは末期に近い4で、余命は数カ月」と告知された。

 すぐに抗がん剤や放射線治療を受けたが、がんはしつこく、しぶとい。鎖骨、リンパ腺や脳にも転移した。

 歯学部学生在籍の息子を持つAさんが、最後に頼ったのが「オプジーボ」だった。

3 / 3 ページ