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【心房細動の治療】慶応義塾大学病院・循環器内科(東京都新宿区)

慶應義塾大学病院の高月誠司准教授(C)日刊ゲンダイ

「症状のある人は受診のきっかけになるのでまだいい。心房細動が起こると血液がよどみやすくなり、心房内に血栓ができやすくなります。その血栓が脳へ飛んで動脈を詰まらせると、突然、脳梗塞を引き起こす危険性があるのです」

 そのため、年1、2回は心電図検査を受けることが大切。心房細動が起きているときでないと心電図に異常は示されないが、発作性から持続性に移行すると発見される確率は高いという。

■早く受けるほど治療成績がいい

 心房細動は、心臓を動かしている電気の発生場所とは違う場所(主に肺静脈)に、異常な電気が発生して起こる。治療は第1選択肢として薬物療法があるが、薬を一生飲み続けなければいけない。内科的治療で根治が期待できるのは、ここ10年で急速に進歩しているアブレーション治療だ。

 首と太ももの付け根の血管から、先端に電極のついたカテーテル(細い管)を挿入して心臓まで進め、高周波電流で異常な電気の発生場所を焼く。1回に平均20カ所前後焼いて、治療時間は正味2時間半。入院は3泊4日だ。

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