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【心房細動の治療】慶応義塾大学病院・循環器内科(東京都新宿区)

慶應義塾大学病院の高月誠司准教授(C)日刊ゲンダイ

「アブレーション治療の対象は発症から5年以内で、仕事をもつ70歳くらいまでの人、症状が強く出る人、脳梗塞のリスクが高い人などを中心に積極的に行っています。1回の治療で心房細動がなくなる確率は、発作性なら80%。持続性でも90%以上は発作性に改善します。心房細動が完治する全体の成功率は70%ほどです」

 同科は、心臓を3次元的に描写できる3Dマッピングシステムを組み合わせたアブレーション治療をいち早く始めた草分け的施設で、治療中のレントゲン透視時間も最小限に抑えている。

「一昨年に保険適用になった冷凍アブレーション治療も発作性を対象に行っています。これはカテーテルについた小さな風船を使って異常部位を凍結させて治す術式で、広範囲に治療できるので治療時間(1時間半~2時間)が短くて済みます」

 アブレーション治療は早く受けるほど治療成績がいい。望むなら早めに検討しよう。

 1920年開院の慶応義塾大学医学部の病院。
◆スタッフ数=医師21人(助教以上)
◆年間初診患者数=1200人(うち心房細動患者の割合=約20%)
◆心房細動のアブレーション治療実施数=年間約260件

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