“生物学的製剤”続々登場で「喘息治療」はガラリと変わる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「気道の炎症→発作」を繰り返すと気道の壁が厚くなり、過敏性が増し、より発作を起こしやすくなる。そしてこの状態は「不可逆性」といって、元には戻らない。

「吸入ステロイドなどは炎症を抑えられますが、厚くなった気道の壁を元に戻す作用は弱いと考えられます。したがって、その人にとって明らかな炎症の原因物質が分かっているなら、そのものに対しての生物学的製剤を用い、早い段階から治療を開始する。そうすれば重症化を防ぐことができる可能性もあり、不可逆性の状態に至る前に手を打つことができるかもしれない」

 ただし、現段階で徹底しなくてはならないのは、「長期管理薬を適切に使用する」ということで、基本中の基本になる。これができていない患者はいまだに多く、それが喘息発作を繰り返すことにつながっている。

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