当事者たちが明かす「医療のウラ側」

ジカ熱語る前に取り組むべきは“風疹対策”ではないか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ところが、今年の2月1日に世界保健機関(WHO)が妊婦のジカウイルス感染による胎児の小頭症や神経障害に対して「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言して以降、日本のメディアでも「ジカ熱対策」が大マジメに語られています。

 もし、本気で感染阻止するなら、該当する地域を「渡航自粛」でなく「渡航禁止」にすべきです。WHOも「緊急事態」と考えているのならば、そういう処置をとるよう各国に働きかけるはずです。

■感染力はインフルエンザ以上

 それより、日本が問題にしなければならない感染症は「風疹」ではないでしょうか。

 風疹ウイルスによって感染するこの病気は、インフルエンザより感染力が強い。妊娠20週目以内の妊婦が感染すれば、先天性心疾患、難聴、白内障、色素性網膜症などの発症リスクが高まることが知られています。

2 / 3 ページ