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【前立腺がんの腹腔鏡下手術】東京歯科大学市川総合病院・泌尿器科(千葉県市川市)

東京歯科大学市川総合病院・泌尿器科の中川健教授(提供写真)

 中川教授個人としては、これまで行った腹腔鏡下手術による前立腺がん全摘出術は1000例以上で、手術関連死はもちろん、手術適応患者の前立腺がん死もゼロ。術後5年のPSA(前立腺がんのマーカー)非再発率は、がんが前立腺の核内にとどまる場合で97%、がんが被膜にかかっている場合でも85%。これは全国でも群を抜いていい成績だ。

「しかし腹腔鏡下手術は術者によって技術差が出やすい手術です。ですから、後進の育成には力を入れています。若手が手術を覚える際には、私の手術の記録動画を見て、使う器具も含めて完全にコピーするよう教えています。20例を完璧にできるようになったら独り立ちしますが、もちろんサポートは続けます」

 同科には、慶応大学病院で中川教授が指導してきた中でもベスト8に入る腕の立つベテラン医師3人が一緒に移籍している。誰もがロボットに負けない技術を持つ職人集団だ。

■データ
東京歯科大学の付属病院。慶応義塾大学病院の関連病院グループに含まれる。
◆スタッフ数=医師7人
◆年間初診患者数=平均1400人
◆腹腔鏡下手術数(2015年)=約90例(うち前立腺がん手術が48例)

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