身近な薬の落とし穴

それでも副作用が起こったら…「公的制度」を利用する

(C)日刊ゲンダイ

 これまで、手軽に入手できるような市販薬にも、多くの副作用があることをお伝えしてきました。そうした市販薬を適切に使ったにもかかわらず、その副作用によって重篤な健康被害が生じた場合、医療費や年金などが給付される制度があることをご存じでしょうか? 「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度です。

 まず、大前提となる「市販薬を適切に使う」というのは、「医薬品の容器あるいは添付文書に記載されている効能効果、用法用量、使用上の注意に従って、使用されること」をいいます。つまり、用法が1日3回である医薬品を、1日4回飲んで副作用が起きた場合は、基本的に制度の対象にはなりません。

 次に「重篤な健康被害」とは、「入院を必要とする程度の疾病」「日常生活が著しく制限される程度の障害および死亡」を指します。

 昨年、ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン錠60ミリグラム)の副作用で出血性胃潰瘍を起こした方には、医療費と医療手当が給付されました。ロキソプロフェンナトリウムは、適切に使用しても胃に負担をかけるため、副作用として胃潰瘍を起こす危険があります。解熱鎮痛剤として頻繁に使用されている薬なので、必要最小限で使用するなどの注意が必要です。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。