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【乳房再建】がん研有明病院・形成外科(東京都江東区)

がん研有明病院・形成外の澤泉雅之部長(C)日刊ゲンダイ

 再建のやり方は、乳房全摘後に「エキスパンダー」という組織拡張器を乳房の部分に入れる。そして外来で2週間に1回、1~3カ月かけてエキスパンダーに生理食塩水を注入していき、ちょうどいい大きさまで皮膚を伸ばす。さらに半年置いて、人工物や自家組織(皮弁法)と入れ替える。

「1期再建の適応は、根治手術で治るステージⅡまでの患者さん、それから乳房温存では形が保てない(乳房の4分の1以上を切除する)患者さんです。この適応は乳腺外科によって判断され、当科が手術に参加することになります」

 インプラント法か皮弁法かの選択も一長一短。皮弁法は腹部などの組織を使うので、どうしても手術に時間がかかり、傷痕も残る。それに比べインプラント法は2~3時間の手術で、入院は2泊3日ほど。侵襲が少なく、圧倒的に適応範囲が広いという。

「乳房再建は、エキスパンダーが動かないように胸の筋肉の中に上手に埋め込むところにコツがあります。それに人工物を入れるときも、周りにできた被膜を細かく調節してきれいに仕上げるのにも技術が必要です」

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