年を取ったらクスリを見直せ

加齢とともにリスク上がるコレステロール降下薬の副作用

(C)日刊ゲンダイ

 コレステロールや中性脂肪が一定値よりも多い状態を「脂質異常症」といいます。脂質異常症が続くと脂質が血管の中にたまっていき、心血管や脳血管の病気を引き起こす危険があります。

 治療には「スタチン系の薬剤」が頻繁に使用されます。スタチンは、肝臓でのコレステロール合成を抑えることで効果を発揮します。人は食事からコレステロールを摂取できますが、それは体内のコレステロールの20%程度です。残る80%のコレステロールは肝臓で合成されるため、スタチンによる治療は効率的であることがわかります。

 高齢者のスタチン治療は、「総死亡を15%、冠動脈疾患死を23%、心筋梗塞を26%、脳卒中を24%減少させた」という報告もあります。ただし、副作用には注意が必要です。

 中でも、「横紋筋融解症」は危険です。文字通り、横紋筋という筋肉が溶ける病気です。放置すると命に関わる危険な副作用ですが、早めに発見することで重篤化を防止できます。初期症状である「筋肉の痛み、しびれ、だるさ、尿の色の変化(赤褐色)」などに注意しましょう。

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中尾隆明

1985年、愛媛県生まれ。愛媛県立南宇和高等学校を経て岡山大学薬学部を卒業。2008年からこやま薬局(岡山県)で管理薬剤師を務め、現在は企画運営部主任として各店舗のマネジメントを行っている。8月に著書「看護の現場ですぐに役立つ くすりの基本」(秀和システム)を発売。