「いない!」と焦って、手が空いている看護師さんに協力してもらい心当たりの場所を捜しました。まず他の病室に行ってないか、同じ階にあるすべての病室を訪ね、トイレもくまなく捜しました。さらにロビー、屋外に出て病院の周囲も捜しましたが、見つかりません。
「まさか」と思い、浴室を確認したところ、カーテン越しに、パジャマを脱いで浴槽の中に入っていた患者さんを発見しました。幸い、浴槽にお湯を張っていなかったので助かりましたが、本人はお風呂に入りたかったのかもしれません。浴槽から出す際、患者さんの腕に擦り傷を見つけました。医師を呼んで処置をしてもらいましたが、本当に認知症の患者さんからは目を離すことができません。
その患者さんの元には、ご家族が毎日のように面会にきますが、そのたびに「私、今日退院するからね」と、急いで着替えようとします。その説得をしたり、なだめる役も私たちの職務です。
病院は本日も大騒ぎ