「認知症」を知るための20週間

カラダを動かしボケ予防 「コグニサイズ」の取り入れ方

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ただ、すでに認知機能の衰えを自覚する方々に特化して調べると、運動だけでは限界がありそうだとも分かってきました。それで脳に直接刺激を与えるため、運動しながらアタマを使って脳を賦活させるような課題を組み合わせていく方が、より予防の効果が期待できるのではないかと考えたのです。それがコグニサイズになります」

 コグニサイズは、コグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせた造語である。

 例えば、3の倍数で手をたたく課題と、足をステップする運動を組み合わせたコグニサイズはこうだ。まずは両足を揃え気をつけの姿勢で立ち、①右足を右横に踏み出し足を開いた姿勢で立つ②右足を元に戻す③左足を左横に踏み出しながら足を開いて立ち、同時に手をたたく④左足を元に戻す――これをワンセットとして何回か繰り返すのだ。

「アタマだけなら簡単にできる課題でも、運動と同時にやると急に難易度が上がります。最初は、ほかにもいろんな組み合わせを紹介していましたが、自分で考えるプロセスも大事かなと。できれば何人かでワイワイ楽しみながらパターンを考え、ゲームのように取り組んでほしいですね。古今東西を組み合わせるとか、100から数字をひとつずつ引いていって、3の倍数のときに手を上げる動きをプラスするとか、なんでもいいんです。間違っても構わないですし、実は、ちょっと間違えるぐらいの方が最も脳に負荷がかかって活性が高い状態になるのです」

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