あの話題の治療法 どうなった?

「オルソケラトロジー療法」は近い将来子供にも解禁か?

近視抑制の有力な手段のひとつ(C)日刊ゲンダイ

■背景に強度近視への危機感

 その背景には電子機器に囲まれて生活するいまの子供たちの視力低下への危機感がある。

 総務省の調査では、13~19歳のスマートフォンの利用率は70%以上。スマートフォンが登場した平成20年以降の高校生以下の視力は徐々に低下しており、文科省調査では平成28年に視力1.0未満の小学生は30.9%と過去最悪を記録している。

「近視が年間どの程度進むか、というデータがあります。そこから推測すると、いまの状態を放置すると、子供たちが大人になったとき、失明につながる強度近視になる割合が大幅に増えると言われています。そのため、新たな点眼剤の開発など近視抑制の研究を行っていますが、オルソケラトロジーはその有力な手段のひとつなのです」(元大学病院眼科医師)

 実際、慶応、京都府立などの医大眼科教室でこの治療法による近視抑制効果の研究が行われ、良好な結果を残しているという。

「日本眼科学会のお墨付きが出れば、一気に広がる可能性があります。その準備という意味もあり、私は自由診療で行う大人のオルソケラトロジーを手掛けているのです」(前出の都内眼科医)

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