心筋梗塞や脳梗塞も 肉好きの「便秘」に潜む重大リスク

お腹が張って苦しいだけではない(C)日刊ゲンダイ

■TMAO濃度が高いほど動脈硬化性疾患リスクが上昇

 夏は汗で血液内の水分が抜けるなどして「血栓症」になりやすい。とくに気温が32度を超えると脳梗塞による死亡率が跳ね上がる。それだけに「便秘」には注意が必要だが、なぜ、肉好きの便秘は危ないのか?

「トイレでいきんで血圧が急激に上がるからだけではありません。人の腸管の中には600兆個にも及ぶさまざまな細菌が腸内フローラ(腸内細菌叢)をつくっていて、臓器のようにさまざまな働きをしています。そのひとつに赤身の肉や卵黄などに含まれるホスファチジルコリンなどのトリメチルアミン(TMA)への代謝があります。便秘で腸内細菌叢が変化することでその働きが強まる可能性もあるのです」

 TMAはその後、消化管から吸収されて肝臓で酸化されトリメチルアミンNオキシド(TMAO)に変わる。これが貪食細胞のマクロファージを泡沫化するなどして、動脈硬化を起こす。

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