後藤医師が水浸法を始めたのは、東大病院時代の恩師からの厳命がきっかけ。
それは「大腸内視鏡を指導するとき空気を入れない無送気法にすること」。それで弟子のひとりが注射器で水を注入すると内視鏡が入りやすいことに気づき、もうひとりの弟子である後藤医師が内視鏡の先から水を出す送水ポンプを開発。1994年に水浸法が完成した。
それ以降、徳洲会グループの病院を中心に水浸法の弟子を50人くらいつくってきた。
同クリニックの院長もそのひとり。いまでは孫弟子もいる。
「普及に力を入れているのは、40歳以上で大腸内視鏡検査を受けている人が約25%しかいないからです。検査に痛みがなければ、多くの人に受けてもらえます。昨年にはマニュアル本も出したので、一般医や開業医の先生方に水浸法をやってもらえれば幸いです」
検査前に2リットルの下剤を飲むのが苦痛という人は、胃と大腸の内視鏡検査を同日にやるのがおススメ。同クリニックでは、胃内視鏡検査のときに下剤を内視鏡で注入するので飲む必要がない。両方を同日にやれば一石二鳥だ。
気鋭の医師 注目の医療