くしゃみでちょい漏れ…腹圧性尿失禁の治療に変化あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 TVT手術は、下腹部の恥骨上左右2カ所と膣を1センチほど切開し、そこから通したメッシュ状のテープで尿道を支えて尿道がグラグラするのを抑え、尿漏れを防ぐ。わが国でも1999年から保険適用となり、画期的な治療法と注目を集めるようになった。ところがTVT手術は、確率はごく低いものの腸管や血管を損傷するなど合併症のリスクがある。より安全な術式として開発されたのが、左右の太ももの付け根と膣を切開してテープを通すTOT手術。国内では2005年ごろから始まった。

「TVT手術には二の足を踏んでいた医師も、安全性の高いTOT手術は取り入れるようになり、TOT手術が一気に広がっていきました」

 ただ、腹圧性尿失禁の人すべてにTOT手術が向いているわけではない。腹圧性尿失禁は、尿道がグラグラする尿道過可動と、尿道括約筋の働きが低下した尿道括約筋不全の両方が組み合わさって起こる。

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