眼科で異常なしの目の不快感は「心療眼科」で改善する

眼球以外の異常も(C)日刊ゲンダイ

 最重症例では、「仕事で医薬品検査を頻繁に行っていたところ1年半前から羞明。頭痛、気分障害で退職」(20代)、「長時間労働と向精神薬(ベンゾジアゼピン系)の服用で2年前から開瞼困難と羞明。身体痛や抑うつがありアイマスクを常用せざるを得なくなった」(30代)、「交通外傷で1カ月前から両眼痛と羞明。脳脊髄液減少症と記憶障害もあり、室内で目を開けられない」(50代)など。いずれも深刻な状態で社会生活が困難にならざるを得ない。

「彼らは眼球は正常であり、別のところに問題がある。眼科では通常の視力や目の病気を診るため『異常なし』となる。精神科受診を勧める場合もありますが、精神科では『目の症状なら眼科へ』と言われがち。患者さんはどこに行っても不調の原因がわからないままなのです」

■一般眼科と違い眼球以外の異常も診る

 ほかにも、①目の不調が持続するが、その不調に対応する目の異常がないか乏しく、眼科的な治療法が見つからない②眼科の手術後に患者自身の術後の満足度など理想の状態と違う。あるいはかえって悪化したと感じ、精神的症状などが出てくる③失明するのではないかという不安などから精神的症状が出てくる。これらの訴えは心療眼科の領域になる。 

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