おたふく風邪の合併症で難聴に ワクチンは接種するべき?

0歳児から成人まで発症のリスクあり(C)日刊ゲンダイ

「感染しても軽い症状でとどめれば大丈夫」などと考える親もいる。

「おたふく風邪の重症度とムンプス難聴の発生率はイコールではない。耳下腺がわずかしか腫れない『不顕性感染』では、診断もされないうちにいつのまにかおたふく風邪が治っていた、というお子さんは珍しくありません。この場合、同じく知らないうちにムンプス難聴になっていた、というケースがしばしばあるのです」

 医師の中には「ムンプス難聴になっても片方の耳が聞こえないだけなら、ワクチン接種で髄膜炎などを起こすよりいいのではないか」と言う人もいるそうだが、片方だけでも一生聞き取りが悪く、耳鳴りにも悩まされる。冒頭の調査結果のように、両側性のムンプス難聴もあり両側聞こえなくなることもある。さらに髄膜炎のリスクは、自然感染の方が高いことは、すでに述べた通りだ。

「まだ受けていない人は、小児も成人もワクチン接種を検討すべきです」

4 / 4 ページ

関連記事