クスリと正しく付き合う

薬が余ってしまう人は処方量を調整してもらうことができる

自身の医療費の節約にもなる(C)日刊ゲンダイ

 医師に伝えづらい場合は、薬局で残薬を確認してもらって処方日数を調整することができます。また薬局に相談することで、場合によっては「飲んでいない薬」や「飲みたくない薬」をやめることができるかもしれません。

 残薬やポリファーマシー(多剤併用)は、医療財政を圧迫する大きな問題になっています。国も重要視していて、ポリファーマシー対策として「6種類以上の薬を使用している場合、2種類以上を減らすと診療報酬が加算される」ようになりました。

 残薬は「保存状態や使用期限から有効性が担保できない」という問題もありますし、ポリファーマシーは「必要以上に無駄な薬を飲んでいるケース」もあるため、対策が進んでしかるべきであるといえます。

 こういった問題は、患者―薬剤師―医師が連携して取り組むことができるうえ、対策を実践することは患者さん自身にも国にも大きなメリットがあるのです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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