「サバやイワシなどの青魚の脂が健康に良い」という話はお聞きになった方も多いと思います。
こうした脂には、オメガ3脂肪酸といって、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)という成分が含まれ、動脈硬化の進行を予防するような多くの作用が、実験的には認められています。また、「魚をたくさん食べる人は動脈硬化の病気になりにくい」というような報告もあります。そのために、その脂の成分を抽出したようなサプリメントがたくさん販売されていますし、中には医療用のものもあります。その効果は実際にどのくらいのものなのでしょうか?
今年の米国医師会雑誌の循環器専門誌に、これまでのEPAやDHAの動脈硬化性疾患の予防効果をまとめて分析した論文が掲載されています。それによると、10の臨床試験の7万7000人以上のデータを解析した結果として、オメガ3脂肪酸のサプリメントに動脈硬化性疾患の予防効果は認められませんでした。
医者も知らない医学の新常識