それから1週間後、その医師がたまたま参加した医学学会で、偶然にも新しいカテーテルを見つけた。それは、カテーテルをある一定のところまで進めて、先端に装着した風船のようなものを破裂させる。破裂したその勢いで抗がん剤を肝細胞の病巣に投入させる方法らしい。
しかも、今回は前回と違う柔らかいカテーテルを使い、曲がりくねった難しい動脈内を通過させて治療に成功した。
後日談になるが、同病院の担当医は、石川さんの治療成功を喜び、以来、他の患者にもこのカテーテルを使用しているという。
ちなみに、先に利用したカテーテルには不具合があり、メーカーはほどなく回収した。
がんと闘う人々