私は母の闘病を目の当たりにして、「がんの治療を受けなければ、母は58歳という若さで亡くなることはなかったのではないか」「あれほど苦しみながら亡くなることもなかったのではないか」と何度も考えた。
実は、母は一卵性双生児の妹を5年前にがんで亡くしており、その看護の経験から医療へ不信感を抱いていた。自分の治療への注文も口にしていた。母の担当の医師からは「扱いにくい、わがままな患者だ。本来なら出て行ってもらうところだ」など、今で言うドクハラ対応を受けていたが、母は弱音を吐かず治療に耐えていた。
当時、“病は医師が治すもの”と信じていた私だったが、握った手に最後の力を込めて母が息を引き取った瞬間、強烈な医師不信、医療不信で体が震えたのだ。医師にはがんは治せない。健康な体は取り戻せない。強く実感した瞬間だった。
それから33年間、医師に頼らずにがんを克服する術を考え続けてきた。
ステージⅣがん治療を断るとどうなる