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眼圧はアテにできず…緑内障の発見は眼底と視野をセットで

緑内障検査のようす(C)日刊ゲンダイ

 緑内障という目の病気があります。視神経が圧迫されて萎縮する病気で、進行すると視野が狭くなり、最悪の場合、失明に。中途失明原因のトップを占める厄介な病気です。

 40歳以上では20人に1人がこの病気とされています。上野さんの年齢やお話から、これが疑われたのです。

 目の中の液体の流出路が詰まることから、目の中の水圧=眼圧が上昇。それが、視神経圧迫の原因のひとつで、かつては眼圧の異常が緑内障を見つけるための指標でした。

 ところが、岐阜県多治見市で行われた「多治見スタディー」から、全緑内障患者のうち眼圧が正常な人が70~80%に上ることが明らかになったのです。それが、正常眼圧緑内障で、眼圧はほとんど当てになりませんし、上野さんがそうだったように、初期は視力に影響しません。眼科の受診をお勧めした次第です。

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