発達障害とゲーム依存

いつでもどこでもできる手軽さがゲーム依存を生み出す

久里浜医療センター院長の樋口進医師(提供写真)

 クリスマスから年末年始にかけて、家電量販店で賑わうのは、ゲーム売り場。「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション4」といった据え置き機に加え、最近は巨大なゴーグル状の機器を頭部に装着して楽しむVRヘッドセットも登場している。もっとも、いま一番隆盛なのは、いつでもどこでも楽しめるスマホのオンラインゲームだ。電車の中でさまざまなタイトルを一心不乱に操作している人を、見ない日はない。

 現実世界では味わえない冒険を体験させてくれるゲームの世界は、はまりすぎると日常生活に深刻な支障を来すことがある。2017年10月には、埼玉県桶川市のマンションで、オンラインゲームに没頭して、自宅の3人の子供の面倒を見なくなり、当時1歳の三男を衰弱死させた事件も発生している。妻はゲームの課金で生活費が足りなくなり、三男に与えるミルクも薄めたものを飲ませていた。「対人恐怖症で友達がおらず、ゲームのチャットで初めて友達ができて、はまってしまった」と、18年12月5日にさいたま地裁で行われた第3回公判で妻は証言している。14日には、夫妻に共に懲役6年の判決が言い渡された。

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