歯周病を放置する恐怖 膵臓がんリスクが上昇し2倍以上に

(C)wildpixel/iStock

 ギンギバリス菌であれば1・6倍。別の歯周病菌であるアグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタン菌であれば2・2倍。膵臓がんは非常に生命予後が悪いがんとして知られる。

 なお、歯周病は疫学上ではすべてのがんのリスクを上げるとされている。つまり、歯周病対策は、膵臓がんだけでなく、あらゆるがん対策になる。

 また歯周病は、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高める動脈硬化にも関係している。さらに、アルツハイマー型認知症のリスクも高める。

「ギンギバリス菌によって誘発される歯周炎は、脳のアミロイドβの沈着、脳の炎症を誘発するメカニズムによって、認知障害の増強をもたらす可能性があります」(花田医師)

 ここに挙げた病気は一例に過ぎない。歯周病対策が命やQOL(生活の質)ににかかわる重大病の予防につながるなら、やらない手はない。2019年は、歯磨きやデンタルフロスなどの日頃の口腔ケアはもちろんのこと、歯科医院での歯周病チェックと定期的なメンテナンスを徹底するようにしてはいかがだろう。

2 / 2 ページ

関連記事