失明リスクの高い目の病気

わけもなく人によくぶつかる…こうなったら緑内障にご用心

40歳以上の20人に1人が…(C)日刊ゲンダイ

 前回、亡くなられた大橋巨泉さんの緑内障のお話をいたしましたが、この病気で苦しんでいる方は他にもおられます。

 日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂さんの実のお姉さんで、日本ブラインドサッカー協会元代表理事の釜本美佐子さん、フリーアナウンサーの生島ヒロシさんらです。

 緑内障は中年になって最も注意すべき目の病気です。視神経に障害が起きて視野が徐々に狭くなります。最悪の場合は失明することがあり、失明原因のトップといわれています。40歳以上の成人の20人に1人は緑内障であることが知られています。しかもその8割は、自分が緑内障であることに気が付いていません。

 釜本美佐子さんはこれまでにない目の痛みに襲われたことから、生島さんは目の検診で気づいたそうです。

 緑内障の患者さんからよく聞くのは、診断される前はわけもなく人にぶつかったという話です。最近、隣の人に気づかずに腕が当たったり、歩いているときに物や人にぶつかることが増えた人は注意が必要です。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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