性感染症最前線

性器ヘルペス<3>公衆トイレの便座で感染する可能性も…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「私の旦那は財産は残してくれませんでした。でもヘルペスだけは残してくれました。ヘルペスができるたびに旦那のことを思い出します」

 これは性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)を受診したある未亡人の言葉だ。

 性器に小さな水膨れが多発し、痛みやかゆみなどの症状が出る「性器ヘルペス」。原因の「単純ヘルペスウイルス(HSV)」に感染すると、症状が治ってもウイルスは消えずに体内に潜み、再発を繰り返すのが特徴だ。

 再発するのは過度なストレスなど免疫力が低下したとき。頻度は月に2~3回の場合もあれば、年に1~2回の場合もあり、人によってバラツキが大きい。再発予防には体調管理が大切だが、他にどんな対策があるのか。同院の尾上泰彦院長が言う。

「再発を何回も繰り返している人の中には、再発する前に性器や下半身に『違和感』『不快感』『疼痛(とうつう)』などの前兆を感じ取れる人もいます。そのような人の場合、前兆を感じた時点で抗ウイルス薬を飲む『待ち伏せ療法』を行うことで再発を抑えられる人もいます」

1 / 3 ページ

関連記事